タイの大学のランキングを大学評価機関の最新の情報を参考にご紹介します。
近年、タイでは経済力が高まり、発展途上国から経済成長が著しい国として注目されています。
このような成長を続ける経済力を背景に、タイでは大学をはじめとした高等教育機関での教育や研究にも力を入れています。
その結果として、アジアにおけるタイの大学の評価も徐々に上がりつつあるというのが実状でしょう。
それでは、タイ国内の大学の評価はどのような状況なのでしょうか?
以下では、タイの大学の国内ランキングとアジアでの評価、各大学の特徴を詳しく解説します。
下記ランキングはイギリスの大学評価機関である「クアクアレリ・シモンズ社(QS)」が公開しているQS World University Rankingsに基づいています。
QSのタイの大学のランキングトップ19校
国内 | アジア | 大学名 |
---|---|---|
1 | 44 | Chulalongkorn University |
2 | 52 | Mahidol University |
3 | 96 | Chiang Mai University |
4 | 108 | Thammasat University |
5 | 130 | Kasetsart University |
6 | 148 | Khon Kaen University |
7 | 153 | King Mongkut's University of Technology Thonburi |
8 | 156 | Prince of Songkla University |
9 | 251-260 | King Mongkut's Institute of Technology Ladkrabang |
10 | 291-300 | Suranaree University of Technology |
11 | 301-350 | Srinakharinwirot University |
12 | 351-400 | King Mongkut's University of Technology North Bangkok |
13 | 351-400 | Naresuan University |
14 | 351-400 | Silpakorn University |
15 | 401-450 | Bangkok University |
16 | 401-450 | Burapha University |
17 | 401-450 | Mae Fah Luang University |
18 | 401-450 | Mahasarakham University |
19 | 451-500 | University of the Thai Chamber of Commerce |
上表はQSランキングでのタイの大学の内、アジアでの大学ランキング上位500位以内に入っているトップ19校を示しています。表ではタイ国内とアジアでのランキングの順位を表示しています。
QSランキングの評価基準は、学術評価(30%)、ビジネス界の評価(20%)、教員と学生の比率(10%)、国際研究ネットワーク(10%)、論文被引用数(10%)および論文数と教員の比率(5%)、PhDの教員数(5%)、外国人教員比率(2.5%)と留学生比率(2.5%)、受け入れ留学生比率(2.5%)と海外への留学生比率(2.5%)です。
タイの大学のランキング-トップ10
- 1位 チュラーロンコーン大学
- 2位 マヒドン大学
- 3位 チエンマイ大学
- 4位 タンマサート大学
- 5位 カセサート大学
- 6位 コンケン大学
- 7位 キングモンクット工科大学トンブリー校
- 8位 タイ工科大学ルールキー校
- 9位 モンクット王工科大学ラートクラバン校
- 10位 スラナリー工科大学
タイではIndian Institute of Technology(IIT)と呼ばれる工学と科学技術を専門とする大学がタイ全土に16校あります。
これらの大学は国立大学のため国家予算が投入されていることもあり、高等教育機関としてのみならず、重要な国家の研究機関としての機能も担っています。
特に、理系分野の研究は国際的にも評価される実績を残しており、タイ社会の経済的発展の基盤を形成してきました。
以下では、タイ国内の大学の評価と特徴について詳しく紹介します。
タイのトップ10大学の特徴
1位 チュラーロンコーン大学
現在、19学部と多数の研究施設が設けられ、キャンパスはバンコク市街に位置しています。大学名はチュラーロンコーン大王(ラーマ5世)にちなんでおり、彼の後継者であるワチラーウット王(ラーマ6世)によって設立されました。
- 公私立:国立大学
- 設立年:1917年
- 所在地:バンコク
- 学生数:36,878名
- サイト: チュラーロンコーン大学
2位 マヒドン大学
1888年にラーマ5世によって設置されたシリラート病院の設置が創立の由来とされ、1943年にタイで初めて医科大学としてタイ王国の国立大学として設立された。現在は16学部、9つの研究施設、5つのカレッジ、5つのセンターが設けられている総合大学へと発展し、キャンパスはバンコクを中心に4ヶ所に設けられています。
- 公私立:国立大学
- 設立年:1943年
- 所在地:バンコク
- 学生数:29,004名
- サイト: マヒドン大学
3位 チェンマイ大学
現在、17学部と3つの研究施設がある総合大学です。タイ北部では随一の規模の大学です。1964年の創設当初は、科学部、社会学部、人文学部の3学部で始まり、医学部に続き、農学部、教育学部、工学部、歯学部、薬学部、看護学部など、1983年からは芸術学部、獣医学部、農業工業学部、建築学部、経営学部、経営学部、経済学部が開設されました。
- 公私立:国立大学
- 設立年:1964年
- 所在地:チェンマイ
- 学生数:33,638名
- サイト: チエンマイ大学
4位 タンマサート大学
タイで最も歴史の長いチュラーロンコーン大学に次ぐ歴史がある国立大学です。過去にはチュワン元首相をはじめとして、各界の多くの著名人を輩出しています。 設立当初から法学系の大学としてスタートし、現在でも法学分野ではタイ国内では権威が高いとされています。近年の経済発展により、タマサート大学は理系分野の学部も設置されています。
- 公私立:国立大学
- 設立年:1934年
- 所在地:バンコク
- 学生数:33,023名
- サイト: タンマサート大学
5位 カセサート大学
1943年に創立した、同国における最初の農業大学で、大学としても3番目に古い国立大学です。 科学、芸術、社会学、人文学、教育学、工学、建築などの学科が設けられており、バーンケーンキャンパスをはじめとした国内に7つのキャンパスがあります。 タイでは学生数が最も多い大学の一つとして知られています。
- 公私立:国立大学
- 設立年:1943年
- 所在地:バンコク
- 学生数:68,250名
- サイト: カセサート大学
6位 コンケン大学
1964年にタイ東北部で最初に設立された国立大学で、現在、17学部と大学院が設置されており、タイ東北部最大の総合大学です。
- 公私立:国立大学
- 設立年:1964年
- 所在地:コーンケン県
- 学生数:32,231名
- サイト: コンケン大学
7位 キングモンクット工科大学トンブリー校
キングモンクット工科大学は、1960年に教育省職業訓練課によって設置されたトンブリー単科大学が始まりとされています。この単科大学は技術者の養成を目的とされて、大学名はタイでの「科学技術の父」として知られるモンクット王(ラーマ4世)に由来しています。
- 公私立:国立大学
- 設立年:1960年
- 所在地:バンコク
- 学生数:14,559名
- サイト: キングモンクット工科大学トンブリー校
8位 プリンス・オブ・ソンクラー大学
タイ王国南部で最も古い歴史がある国立大学です。タイにおいて、9つの重点研究大学に指定されています。現在、5つのキャンパスに39学部と、カレッジ、研究施設、4つの病院、40以上の研究センターなどが設けられています。
- 公私立:国立大学
- 設立年:1967年
- 所在地:ソンクラー県
- 学生数:40,190名
- サイト: プリンス・オブ・ソンクラー大学
9位 モンクット王工科大学ラートクラバン校
同大学は電気通信訓練センターが始まりとされ、1960年に創立した国立大学です。現在、工学部、建築学部、農学部、産業教育学部、理学部、情報技術学部、国際学部などの学部が設けられています。
- 公私立:国立大学
- 設立年:1960年
- 所在地:バンコク
- 学生数:22,744名
- サイト: モンクット王工科大学ラートクラバン校
10位 スラナリー工科大学
- 公私立:国立大学
- 設立年:1990年
- 所在地:ナコンラーチャシーマー
- 学生数:16,821名
- サイト: スラナリー工科大学
まとめ
以上、タイの大学のランキングについて、国際的大学評価機関のランキングを参考にまとめました。
タイでは経済成長とともに、教育にも力を注いでおり、高等教育機関である大学の教育水準が徐々に向上している傾向です。
近年では経済発展の影響もあり、タイ政府が科学技術分野の教育や研究に力を入れていることもあり、名門総合大学だけではなく、工科大学の評価も上がっています。